変化の早い現代社会において、柔軟かつスピーディーに対応をする事が必要不可欠です。
そのためには、いくつかの選択肢を用意しなくてはなりません。
その際に固定観念にとらわれた発想だと、斬新なアイデアは生まれにくくなります。
物事の見方や考え方を変えるには、ラテラルシンキングが必要です。
ラテラルシンキングとは
どんな前提条件にもとらわれない、発想の枠を広げる思考法の事です。
ラテラルとは水平という意味です。
1967年イギリス人のエドワード・デボノ博士が提唱した考え方です。
対比される考え方はロジカルシンキングです。
ロジカルシンキングとは
物事を順番に整理し、筋道をたてて正解を導く論理的思考の事です。
常識や経験から妥当と思われる答えを導くために、物事を掘り下げて論理的に考えていくため、垂直思考とも言われます。
一方でラテラルシンキングは順番や過程を問いません。常識にとらわれず、自由に発想をする事です。
相互補完の関係
この2つの考え方は相互補完の関係となっています。
新しい事を始める際は、ラテラルシンキングを用いて、複数の案を練ります。
そしてロジカルシンキングを使い、実行に移しても問題がないのかどうかを検証していく事が望ましいでしょう。
代表的なラテラルシンキングの例題
よく使われる例題を用いて考えてみましょう。
問:3人の子供に13個のオレンジを公平に分けるには、どうしたらいいでしょうか?
4個ずつ3人に配った後に、残りの1つを均等に分け与える
こう答える人が多いのではないでしょうか?
ラテラルシンキングだと
答:ミキサーでジュースにして、均等に分け与える
ミカンは「固体」「食べるモノ」という概念があるため、固体のまま分けるという発想に繋がっています。
こうした思い込みが、ラテラルシンキングの発想を妨げるのです。
それを「固体→液体」「食べるモノ→飲むモノ」に発想を変える事で、ジュースにするという答えにたどり着くのです。
ラテラルシンキングを手に入れよう
重要なポイントは以下の2点です。
①固定観念を疑う
自分とは違う環境・世界にいる人と接する事が重要になります。
そこから新たな発見が生まれる事が多いからです。
海外に行く・国内で外国人と接する
外国人は、生活スタイル・宗教観・文化が異なるため、多くの気付きを与えてくれるでしょう。
日本での常識が海外では非常識と捉えられる事があるようにです。
メディアを通じて感じる事もありますが、実際に肌で感じる事がいいでしょう。
違う世代の人と接する
「同じ世代の人とは話題が合うけれど、10も歳が離れると話題が合わない」といった経験があるのではないでしょうか。
趣味・価値観・生活スタイルと様々な観点からです。
その際、年上・年下の両世代に接する事が重要です。
異業種の人と接する
大半の人は、同じ会社のコミュニティにいる時間がほとんどです。
基本的に同じ考えを持った人が多くいるため、新たな発見に出会う機会は限られます。
また会社は異なっても、同業種だと考え方も大きくは変わらないでしょう。
その点、異業種の人と話をする場合、新鮮な話を聞ける機会が多分にあります。
学生時代の友人や、人からの紹介、異業種交流会などで、交流を持つようにする事が必要です。
②抽象化する
物事の本質を見抜くには抽象化する事が重要です。
本質を見抜くには「△△は○○するもの」というように○○に何が入るのかを考える事です。
本を例にとると「楽しむモノ」「知識を得るモノ」「読むモノ」になります。
違う見方をすると「物を支えるモノ」「着火させるモノ」
というように、本を「情報」「物体」と捉えるかで対象の本質は変わってくるのです。
日頃から物事を抽象化する思考の習慣を身につける事が重要です。
日頃の気付きをストックする
前述で考えた事をメモする習慣を心掛けましょう。
次に異なる対象を組み合わせてみます。
そうすると意外性のある発見へと繋がる事があるでしょう。
些細な事を含め、たくさんの事をメモにストックする事を実践しましょう。
まとめ
ラテラルシンキングを身に付ける事で、逆境をプラスに転換する事も可能になるかもしれません。
様々な局面で、ラテラルシンキングは私達を助けてくれる思考だと思います。
世界で注目されているスタートアップ企業は、あっと思わせる考えた方でビジネスを展開しています。
例えば、以前の投稿で紹介したUberやAirbnbも固定観念を破壊する事から出来たビジネスモデルです。ほとんどの人に成功するはずがないと考えられていました。
*【アメリカン・ドリーム】〜UberとAirbnbに学ぶ〜
日々の気付きを積み重ね、検証を繰り返し行う事で、ある時とんでもない閃きと出会えるのだと思います。