最近、高級ホテルが注目を集めています。

高級ホテルや高級旅館を体験し、感じたことがあります。

日本の高級ホテル事情

不動産各社が国内で客室単価が3万円を超える高級ホテルの運営に相次いで乗り出しています。

訪日客の増加が続くなか、受け皿となる高級ホテルの不足が続いています。

三井不動産の菰田正信社長は、「日本は高級ホテルがまだ少なく、成長余地が大きい」と指摘しています。

各社が高級ホテルに力を入れる背景には、欧米からの訪日客の増加があります。

18年の米国からの訪日客数は17年比11%増の約152万人で7年連続2桁増。

欧州ではドイツやイタリアが前年比2桁増で、欧米圏の勢いは全体の伸び率(8.7%)を上回ります。

観光庁によると、中国や韓国などアジア圏に比べて欧米からの訪日客は滞在日数が多く、宿泊支出が多い傾向にあります。

1人当たりの宿泊費はアジア圏は2万〜6万円代ですが、欧米圏は7万〜10万円台で、旅行支出のうち、宿泊にかける割合が最も大きいです。

政府は今秋にも、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業者の適格性を判断する「カジノ管理委員会」を設けます。

2020年代半ばにもIR開業される見通しで、さらなる訪日客の増加が見込まれます。

高級ホテルに関して、欧米圏からの訪日客の増加やIR開業により、これからさらに新規開業のホテルが増加していくと考えられます。

高級ホテル体験

最近、高級ホテル、高級旅館を体験しました。

ハレクラニ沖縄

高級ホテル

ハレクラニ沖縄

ハレクラニ沖縄は、三井不動産が約40年前に買収したハワイの高級ホテルで、沖縄県恩納村で2軒目を開業しました。ハレクラニ沖縄は全360室の客室単価は5万円以上と、同県では最高価格帯です。「ハレクラニ」は、ハワイ語で「天国にふさわしい家」を意味しています。

部屋、プール、食事全てが最高でした。

今までしたことのない体験でした。

特に朝食ビュッフェに関して、あそこまで満足度の高い朝食は初めてでした。

しかし、気になったのが、従業員の方の対応です。

「スイートなので、部屋のミニバーは全て無料です。」という説明を受けたにも関わらず、会計では請求される。

食事の会計が間違っている。

カードの請求金額が間違っている。

外に出ている間に部屋の清掃をお願いしたのにしてくれていない。

結局清掃してくれたのは夕方の5時頃。

ということがありました。

他にも細かいことですが、気になる点がありました。

たまたまかもしれませんが、施設や景色が非常に素晴らしいぶん、サービスに関しても相応の対応を求めてしまいます。

施設や景色の素晴らしさにサービスが答えられるかどうかは重要なポイントだと思います。

下呂温泉 しょうげつ

高級旅館

下呂温泉 しょうげつ

下呂温泉随一の眺望を誇る「天空の宿」。温泉街を眼下に見渡すことができます。全部で21室の宿です。

20年前の創業時から利益の上がる団体客を取らず、個人のお客様を対象とした名旅館です。

ゆったりと時を過ごしていただくことを信条に静かなおもてなしを心がけている高級旅館です。

1フロアに3室のみです。

旅館に到着してから、すぐに部屋専属の案内人の方が説明や案内をしてくれます。

チェックインの案内まで少し時間があるので、景色がいい場所でお茶菓子とお茶を持ってきてくれます。

部屋の案内、食事、貸切露天風呂と細かなことにも気を配ってくれて、何のストレスもなく快適にゆったりとした1日を過ごせました。

到着してから帰るまで、従業員の方々全員が非常に細かいところまで気を配ってくれているのがわかりました。

これぞ「おもてなし」という印象を受けました。

「おもてなし」の質

目的が違うので、単純比較は出来ません。

どちらも大変満足でした。

しかし、どちらサービスの方が単純に良かったかと言われると圧倒的に「しょうげつ」だと思います。

このサービスの良さ、すなわち「おもてなし」の質で、施設や景色の良さがより一層引き立ちます。

満足度も倍以上になった気がします。

これは「ハレクラニ」が悪いわけではありません。

「ハレクラニ」は全360室で対応しており、開業わずか1ヶ月。

「しょうげつ」は全21室で対応しており、創業20年。

普通に考えて利益は「しょうげつ」より「ハレクラニ」の方が上がるでしょう。

サービスの質は、現状「ハレクラニ」より「しょうげつ」の方が上でしょう。

しかし、「しょうげつ」が利益追及を考えて、部屋数を増やし、それに伴って経験のない新しい従業員を雇うとサービスの質は落ちます。

「ハレクラニ」が「しょうげつ」並のサービスの質を手に入れるには、従業員の教育と時間が必要でしょう。単純に教育と経験、人の数が足りていないように感じました。

要するに、高級ホテルに関して、一般的に利益追及とお客様の満足度は比例しません。

その常識を覆して利益追及とお客様の満足度をあげるにはどうすればいいか?

そこに今後の高級ホテルの課題があると感じました。

まとめ

「おもてなし」は、日本が海外と差別化できる数少ない強みであり、日本の高級ホテルや高級旅館最大の強みです。

「おもてなし」の質の向上=人の質の向上はサービス業にとって非常に重要な部分だということを改めて感じました。

参照:日経新聞