近年、共働き世帯の増加、女性の活躍する機会が増える中で、育児と仕事の両立が大きな課題となっています。
待機児童問題について政府は対策を講じていますが、まだまだ問題を解消するには至っていません。
総務省の発表によると、2018年の女性就業者は2946万人で6年連続過去最多を更新しています。
そんな中、育児においても、IT・テクノロジーの活用が始まっています。
子育てTech委員会の存在に注目しました。
子育てTech委員会
子育てTech委員会とは
ITやテクノロジーを活用し、心身共にゆとりある子育て環境の実現を目指すサービスを「子育Tech(こそだてっく)」として提唱・推進していく共同組織です。
株式会社カラダノートを発起人として、ITベンチャー企業5社で発足し、その後5社が新たに参画しています。
サービス内容
提供するサービス内容は主に個人向けです。
いくつかサービス内容を紹介します。
ママびより
妊娠中や育児には不安が付き物です。
不安の解消や軽減に繋がるコンテンツを届けてくれるアプリです。
おすすめのレシピ、幼児教育、パパ向けの情報など、色んな場面で役に立つ情報も届けてくれます。
きっずちゅーぶ
YouTube上で、子どもの学びと遊びに役立つ知育動画配信サービスを提供しています。
絵本の読み聞かせ、折り紙遊びなどの動画が中心です。
子育てシェア
子供の送迎や託児を、近所の知人やママ友パパ友などの顔見知り同士で頼り合うオンラインアプリ「子育てシェア」を運営しています。
登録料・手数料は無料。
1時間500円〜700円の謝礼金のみで利用可能。
万が一の事故に備えて全支援者に最大5000万円までの保険も適用した唯一の仕組みです。
現在会員数は6万人を超えています。
パパっと育児@赤ちゃん手帳
赤ちゃんの泣き声から感情を分析する「泣き声診断サービス」を提供しています。
アプリで泣き声を5秒間録音するだけで、「お腹が空いた」「眠たい」などの泣いた理由を解析します。
国立成育センターと、世界初の育児ビッグデータを利用した共同研究を行っている企業です。
また、子供の生活記録をアイコンタップで簡単に登録する事も出来ます。
登録した記録はグラフなどで統計表示でき、子供の生活状況と成長を「見える化」してくれます。
家族間のコミュニケーション
前述したように、共働き世帯が増加しているため、母親が育児にかける時間は減少しており、その部分を補うために、父親や祖父母による育児が必要となっています。
そういった際に、子供に関する情報が家族間で偏ってしまってはいけません。
紹介したサービスを使う事で、食事の時間・食事メニュー・睡眠時間・体調の変化などの情報を家族全員で共有する事が出来ます。
コミュニケーションが円滑に取れる事で、安心して育児をする事が出来るようになるでしょう。
保育士の負担減
家族だけでなく保育士の協力もなければ、働きながら育児を行う事は困難です。
テクノロジーの活用が、保育士の業務効率化と負担を減らす役割を担っています。
テクノロジーの活用例
・連絡帳の入力を手書きからWEB入力に
・園児の登園・降園をタッチパネルで管理
・園内での感染症の流行などをリアルタイムで保護者に伝える
・欠席の連絡を電話ではなく、スマホ・PCで受け付ける
更に普及していく事が期待されています。
世代間の価値観の溝を埋める事が必要
「手間をかけてこそ愛情」という認識を持つ人も多く、年代が上がるほどにテクノロジーを利用することや、効率化をはかることに対し否定的な価値観もみられるのが現状です。
この認識と価値観こそ、現代の日本の育児環境における改善すべき課題と考えています。
子育てTech委員会では、このように今後の解決したい課題を述べています。
時代背景が変わっている事や、家庭の事情を、しっかりと話し合う事で、価値観のズレを無くす事が重要になってきます。
まとめ
私も子供を持つ父親です。
特に子供が赤ん坊の時は、育児に対する不安・戸惑いが常にあり、人は人と言い聞かせながらも、他の家庭での育児法は気になってしまうものです。
情報が手軽に取れ、参考に出来る事はとても便利で役に立ちます。
上手にテクノロジーを活用する事で、育児がもっと楽しくなり、心にゆとりを持った家庭と社会が実現出来ると思います。