書店で本を選ぶ際に、本の帯の内容に注目した事はないでしょうか?
例えば
芸能人の◯◯が称賛!
◯◯大学で一番読まれた本!
その他にも、たくさんのフレーズが目に付きます。
関心を惹き付けられてしまい、本を購入した。こんな経験ありますよね。
芸能人がオススメしているから、きっと面白い本なのだろう。とりあえず読んでみよう。
こういった思考が生まれます。
このような思考からくる現象を、心理学用語で、ハロー効果と呼んでいます。
ハロー効果とは
社会心理学の用語で、ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のこと。後光効果、ハローエラーともいう。例えば、ある分野の専門家が専門外のことについても権威があると感じてしまうことや、外見のいい人が信頼できると感じてしまうことが挙げられる。ハロー効果は、良い印象から肯定的な方向にも、悪い印象から否定的な方向にも働く
引用 Wikipedia
上記のケースは、「芸能人の高い評価」「有名大学で人気」というプラス属性に引っ張られて、本の評価を過大評価してしまうという現象です。
私達の生活の中で、ハロー効果はいたるところで溢れかえっています。
ビジネスシーン
外見の要素
・男前
・髪が整っている
・スーツの着こなしが上手い
・靴がキレイ
名刺
・「肩書き」代表取締役、専務、部長
・「資格」宅建、簿記、FP、MOS、
恋愛
・「学歴」ハーバード大学、東京大学
・「勤務先」上場一部大手企業
・「職業」医者、弁護士
・「ルックス」オシャレ、ブランド品
上記の例の特徴として、大半の人がプラスの印象を持つと考えられます。
ここで重要なポイントは、これらを努力次第で手に入れる事が可能なのか?
そうではないのか?という点です。
外見が男前に関しては、生まれ持ったものなので、整形でもしない限り、見た目を変えるのは不可能です。
また、肩書き(社長・専務)、学歴、職業(医者・弁護士)に関しても並大抵の努力と実力がないと、手に入れる事は非常に困難です。運も必要です。
だからこそ、これらのハロー効果は絶大な力を発揮します。
ハロー効果を手に入れよう
自分には何もないと悲観しているのであれば、大きな間違いです。
これからの努力や、意識を変える事で、ハロー効果を手に入れる事が出来るからです。
・普段より身だしなみを整える意識を持つ
・それなりの努力で、取得できそうな資格を取得する
これだけでも、十分なハロー効果が期待出来るでしょう。
本質を見抜く
一方で、ハロー効果によって裏切られた経験もあると思います。
・そんなに仕事が出来る人じゃなかった
・本を買って読んだが、全然面白くなかった
・コミュニケーションが下手な人だった
要するに、実際に使ってみたり、接する期間が長くなるにつれて、本当の実力が分かるのです。
悪い意味でのギャップは、大きなダメージを意味します。
ハロー効果を与える側の人も、こういったリスクがあるわけです。
まとめ
ハロー効果は、私達が感じた要素だけでなく、他の要素にまで大きな影響力があるという事を、認識する事がとても重要です。
言い方を替えれば、最初の自分の印象を初期段階で疑ってみるべきです。
サラリーマンの世界では、人事評価を高めるため、上司にゴマをする・上手くアピールをする人間がいます。
実力が伴っていないのに昇進する。そんな人の下で働く部下が辛い思いをする。よくある話です。
シリコンバレーの企業では360度評価(上司・同僚・部下による評価)をする企業がたくさんあります。
日本の企業も、人事評価のあり方を検討すべきでしょう。