アスリートといえば、選手としての期間は短いもの。
引退後に監督・コーチ・職員として引き続きスポーツに携わる人もいれば、
全く違う業界に転職をする人もいます。
また引退後、起業を選択するアスリートもいます。
水泳の北島康介さん、フェンシングの太田雄貴さん、陸上の為末大さんが有名です。
そんな中、マルチな舞台で活躍するアスリートがいます。
現役のサッカー選手でありながら、あるときは監督、あるときは実業家の顔をもつ本田圭佑選手です。
本田圭佑選手の現在
本田選手の最近の状況について。
・オーストラリアのメルボルン・ビクトリーに所属
・昨年の夏からはカンボジア代表の実質的な指揮を執る
・運営するサッカー教室は国内外で74校
・本田選手が率いる「KSKグループ」ではスポーツ用のウエアラブル端末販売や保育園運営を展開している
・エンジェル投資家の顔も持っており、3年前に投資ファンドを設立し約50社に数億円を投じている
・昨年夏には、アメリカの大物俳優ウィル・スミスとベンチャーキャピタル「ドリーマーズ・ファンド」を設立
日本の大企業などから1億ドル近いお金を集め、アメリカのスタートアップ約20社に投資
これだけマルチな領域に踏み込んでいる人はそうはいません。
本田選手のように本業(サッカー)と全く違う分野(投資や教育)に行動を広げることが重要なポイントです。
今の領域×違う領域
今の仕事におけるスキルを高めることも大切ですし、今のスキルを活かした転職や副業が主流だと思います。
一方で新たな領域にチャレンジすること・学ぶことで、将来自分の市場価値が何倍にも上がるはずです。
今の領域と新しい領域を掛け合わせる発想を持って実行する。これからのビジネスパーソンに求められる姿ではないでしょうか。
情熱の源泉とは?
本田選手のエネルギーはどのような想いからきているのか。
本田選手らしい言葉があります。
「きょう人生が終わるとしたら?」
「だから毎日きょう最後という感覚で生きている」
こんな想いを日々自分に問いかけています。
そうすることで、情熱が倍増するというのです。
アップルの創業者スティーブ・ジョブズが毎朝鏡を見て、
自分に問いかけていた言葉と似ています。
「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?」
スティーブ・ジョブズ
このレベル感で日々を送るのは難しいと思いますが、自分自身と対話する習慣は私達にも出来ることです。
起業は使命感から
本田選手にとって起業とは使命感に駆られたものだったそうです。
きっかけは2010年のワールドカップ南アフリカ大会出場の際、現地の児童養護施設を訪ねたこと。
貧困を理由にやりたいことができない現実を目の当たりにし、誰もが夢追える社会にしたい。
「影響力を持った有名人が世のために事業をやる」
「強いヤツが責任を果たし、我慢しないといけない」
この使命感が本田選手を突き動かしているのです。
KSKエンジェルファンドの投資先
本田選手はどんな会社に投資をしているのでしょうか?
いくつか投資先企業について紹介していきます。
MINISTRYはボストン発のアパレルブランド。
スポーツできる快適性を備えたビジネスウエアを軸に製品をラインナップし、スマートで柔軟性のあるワークスタイルを「Work Smarter」と提案してアメリカで注目されているブランド。
Aferoはスマート家電やスマートホーム機器向けに安全かつ高速なIoTソリューションを提供している。
JUST WATERはこれまで一般的に用いられてきたプラスチック容器を使わずに、再生可能紙容器と、サトウキビ由来のバイオ素材プラスチックのキャップを使ったミネラルウォーターを販売。
improvadoのサービスはマーケティング担当者がデータ集約、すべてのデータを1か所にまとめるプロセスを自動化するのに役立つ。
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Makuakeは株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディングが運営する日本最大級のクラウドファンディングサービス。
金融機関や製造業、飲食業との異業種提携を進め、プロジェクト実行者側や支援者側双方の利便性向上と満足度向上をめざしている。
まとめ
投資先を通じて雇用を生み出し、様々な問題に対しテクノロジーやサービスを使って解決していきたい想いが本田選手にはあります。
投資はお金を増やすイメージが先行しがちですが、このように社会を変えるきっかけを与える手段でもあります。
本田選手のこれからの活動と、投資先企業の展開にこれからも注目です。