先日、第91回選抜高校野球大会の出場校が決定しました。
阪神甲子園球場で3月23日から4月3日までの、12日間の予定で開催されます。
昨年の夏には第100回大会を迎え、もの凄い熱狂と感動を与えてくれました。
16日間の入場者数は過去最高の101万5000人を記録し、高校野球の人気は、年々増すばかりです。
もはや国民的行事と言っても過言ではないでしょう。
経済効果は433億円
宮本名誉教授は、「今年の第 100 回大会は過去最高の経済効果であると言っても過言ではない。その要因として、①出場校が 7 校増え、試合数が 7 試合増加し、大会日数が 2 日増えたこと ②これまで無料であった外野席が有料になり、内野席やアルプス席も値上げされたこと ③第 100 回の記念大会であること などが考えられる」と分析しています。
また、「プロ野球と比べると、入場料が非常に安価な料金設定にもかかわらず、たった16 日間で約 433 億 3256 万円という大きな経済波及効果をもたらすことは驚くべきことである」と述べています。
引用 宮本勝浩名誉教授が試算。第100回全国高等学校野球選手権記念大会の経済効果
経済効果の内訳
・学校関係者の消費支出
・一般顧客の消費支出
・運営関係者の消費支出
・マスコミ関係者の消費支出
*宿泊費、交通費、入場料、飲食費、グッズ販売が主な消費項目です。
昨年夏のデータですが、人気だけでなく、経済効果からも高校野球の凄さが伝わる数字です。
野球のお金事情
野球というスポーツはそれなりのお金がかかります。
・部費、月謝
・合宿費
・遠征費
・グローブ、スパイク、ユニフォーム
・プロテイン等のサプリメント
小学校から高校までの累計で、100万円単位の出費がかかると推計されます。
また高校の強豪校になると、用具購入費、遠征費、専用グラウンド維持費など、これまで以上に大きく出費がかさむのです。
甲子園出場時の支出
また甲子園出場の際には、学校としての支出が急増します。
選手関係費、用具費、応援バス費、入場券費、応援用費、記念品費等で数千万の出費がかかります。
特に近畿地方以外からの出場校は負担が大きくなります。
一方で収入の面は、補助金が高校野球連盟などから出るのですが、金額は僅かなものとなっており、大半は、OB・PTA・地元からの支援金で賄っているのです。
甲子園初出場となると、想定以上に資金が集まる事が期待できるでしょう。
今年の選抜大会では8校が初出場となっています。
金足農業高校
2018年夏の甲子園で旋風を巻き起こした金足農業高校。
快進撃を続けたため、お金が足りない事態となりました。
その後、寄付金を募り、2億円以上の寄付金が全国から集まった事が話題になりました。
名将のマネジメント
沖縄の強豪、興南高校野球部。
我喜屋優(がきやまさる)監督のマネジメントは、ビジネスにも通じるものがあります。
2007年4月に就任され、その3ヶ月後に24年ぶりの甲子園出場を果たしております。
就任直後に行った事は、生活の乱れを正す事でした。
具体例
・時間を守る事
・ゴミ拾い
・食事の好き嫌いを許さない
・整理整頓
・しつけの徹底
素晴らしい試みですが、特段目立った事をやっている訳ではありません。
重要な事は、我喜屋監督が、それらの行動の目的・意味を選手達に分かるように説明し、腹落ちさせている事です。
ゴミ拾いを例にすると
①ゴミが落ちている→誰かのミスを見つけた→カバーするのが責任
②見て見ぬ振りをする→後ろの人に迷惑をかける
③拾う事で他の人のミスをカバー→他の人が嫌な思いをしなくて済む
「本当のチーム作りは、普段の生活から細かい事を、きちっと出来るようにする事」と述べられています。
その後の2010年には、史上6校目となる春夏連覇を達成しています。
まとめ
言われた事に対して命令だから仕方ないと決め込み、疑問が残るままの状態で、仕事に取り組んでいる事はないでしょうか?
マネージャーは部下に対して、指示の目的・意図を明確に伝えきれているのでしょうか?
目的・意図をしっかり理解する事・伝える事が重要です。
今年も球児達のひたむきなプレーから、色んな事を感じ取りたいと思います!